みなさん、はじめまして。
現在、東北大学経済学部三年(就活22年卒)のピュアトトロ(@totoro_68)がお送り致します。

旧帝大は高学歴であるはずだから就職も余裕なのでは?
本当にそうなのでしょうか…?
*この記事では地方旧帝大を北海道大学、東北大学、九州大学、名古屋大学の4大学とします。
まずは圧倒的人気とブランド力を誇る5大総合商社(三菱商事・伊藤忠商事・住友商事・三井物産)採用実績と有名企業400社の実就職率大学別一覧をご覧ください。
- 慶應義塾大学 159名
- 早稲田大学 119名
- 上智大学 28名
- 同志社大学 11名
- 中央大学 10名
- 北海道大学 10名
- 東北大学 7名
- 九州大学 7名
- 名古屋大学 6名
- 慶應義塾大学 46.5%
- 東京理科大学 38.9%
- 早稲田大学 36.7%
- 上智大学 34.1%
- 名古屋大学 33.7%
- 同志社大学 31.6%
- 東北大学 29.9%
- 明治大学 28.9%
- 九州大学 26.7%
- 北海道大学 24.8%
日経平均株価指数の採用銘柄や、企業規模、知名度、大学生の就職人気企業ランキングなどを参考にして上位400社を抜粋。有名企業400社就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)で算出。慶應義塾大学は2017年卒業生。

全然違うじゃん!こんなことがあっていいの?
たしかに就職実績は明らかに違いますよね。笑 特に早慶との差は明確です。
Googleの「旧帝大 就職」に関連する検索キーワードでは第一候補として「旧帝大 就職 できない」と予測変換が出てきます。


コスパ最悪じゃん…7科目9教科の勉強をしてきた意味よ…
しかし、地方旧帝大が就職で不利と決めつけることはまだ早いです。
この記事では東北大生の筆者が地方旧帝大生が就職において不利な実績データが出ている理由・原因について解き明かしてお伝えしていきたいと思います。
- 地方旧帝大の就職事情が気になっている
立地
地方旧帝大の本拠地となっている都市が首都圏及び京阪神(京都大阪神戸)から離れていることも非常に大きな要因です。
- 東京都(慶應義塾大学・早稲田大学)1991
- 大阪府(大阪大学)436
- 兵庫県(大阪大学)121
- 京都府(大阪大学)70
- 愛知県(名古屋大学)222
- 福岡県(九州大学)85
- 北海道(北海道大学)53
- 宮城県(東北大学)21
有名大手企業は首都圏・京阪神に集中しているため、有名大手企業への就職を希望する地方旧帝大生の就職は難しくなります。
金銭的・体力的負担
地方旧帝大生は就活イベントに参加・出席するために首都圏及び京阪神に行かなくてはいけません。
- 企業説明会
- 企業合同説明会
- インターンシップ選考(GD・面接)
- インターンシップ
- GD(本選考)
- 面接(一次・二次・最終)
マイナビ調査によると、関東学生の出費は平均7万5千円。続いて東海・関西などの地方都市部では平均10万5千円。
その他の地域だと、平均15万2千円程かかっているそうです。
https://kicho-navi.jp/recruit_cost/
このように地方旧帝大生の就活費用は首都圏の就活生と比べると差は歴然としています。
地方旧帝大の中でも比較的東京から近いとされている東北大学の先輩でも就活の交通費で10~15万ほど使用したと言われています。
高速バスを利用して節約すれば何時間も同じ姿勢で座ることになります。夜行バスにおいては十分な睡眠をとれません。
ただでさえ体力が消耗される就活の時期は特に体への負担を増大させることになります。
また当然新幹線・飛行機を利用すれば金銭的負担が大きくなります。
東京に来て3時間で帰仙…仕方ないよな… pic.twitter.com/GDo5cy3Lnm
— ピュアトトロ@家系YouTuber (@tohoku_68) July 9, 2020
このような背景から都内の学生であれば、30社受けていても地方学生にとっては60社くらいの負担に感じることも考えられます。

また高速バスで東京に行かないと…さすがに疲れる…
このようにして、地方旧帝大生は就活において精神的、経済的、肉体的負担が立地的要因から重くのしかかってきます。
エントリーが消極的に
地方旧帝大生は金銭的・精神的負担がかかりやすくなることからインターン及び本選考のエントリーに対して消極的になりがちです。

交通費・宿泊費は支給されないの…お金ないからエントリ辞めとこ
これはインターンシップにおいても当てはまります。交通費及び宿泊費の支給がなければ参加するだけで3万~5万ほどの出費になるため応募するのにも負担がかかります。
都内の学生は沢山実家から通えて気軽に応募出来ていても、地方の学生にとっての負担は大きいので応募に対して気が進まなくなることもあります。
このようにして地方旧帝大生の就職における可能性や機会が狭められていくのです。
情報収集がむずかしい
沢山の大学がある首都圏、関西圏はインカレサークル・アルバイト先で交友関係、他大学との先輩との関係を築いているため就活の情報交換が容易な環境にあります。
これに対して、地方旧帝大生は大学生同士の繋がりも薄く就活生同士の人脈形成及び情報収集が難しい環境にあります。
就活は情報戦ともいわれ、どれだけ多くの情報を集めて対策が出来たかが就活においてはとても重要になってきます。
この情報収集が難しい環境にある地方旧帝大生は就職においても難しい環境にあるとも推測出来ます。
旧帝大ブランドが埋もれる
たしかに、地方旧帝大はこの地方で圧倒的ブランド力を誇っているために地方就職は有利です。
各地方旧帝大進学実績採用人数上位が東北大学は東北電力、名古屋大学はトヨタ自動車、九州大学は九州電力が上位を占めていることからも推測出来ます。
地方では威光を放っていた旧帝大ブランドは首都圏・京阪神においては首都圏の有名大学と比べると薄まってしまうのです。
←東北で就活する東北大生
— ピュアトトロ@家系YouTuber (@tohoku_68) June 15, 2020
関東で就活する東北大生→ pic.twitter.com/Y9ETnf3Itw
学生数
次に地方旧帝大と有名私立大では学生数に大きな差が見られます。
- 早稲田大学 50,439
- 慶應義塾大学 33,500
- 明治大学 33,310
- 同志社大学 29,459
- 九州大学 18,660
- 東北大学 17,849
- 北海道大学 17,414
- 名古屋大学 15,852
誤った解釈
当然、学生の母数が多いと各企業における採用人数は増えます。
学生数が全く異なっている国立大学と私立大学を比較して、「地方旧帝大は就職できない!」と推測することは間違った判断なのです。
OB・OG層 学閥形成
学生数が少なければ大学の有名大手企業で勤務するOB・OG層も少なくなるため、学閥が形成されにくいです。
これに対して、早慶は沢山のOB・OGによって学閥を形成していることが就職に有利である原因のひとつであると考えられています。
大手企業志願者の割合
地方旧帝大は大手有名民間企業への就職を志望する学生の割合が低いです。選考に通過するしない以前に大手人気企業に志望する学生が少ないのです。
- 地方での就職志向が強い
- 公務員人気が高い
- 出世欲がそこまでない
地方企業就職志望
地方旧帝大生は小さい頃から育ってきた馴染みの土地で働きたい地元志向が比較的強く、地元に貢献する志向のある学生の割合は高い傾向にあります。

地方を活性化していきたい!地元に恩返しを!
地方の有名大企業は限りがあるため、自然と大手志望者数は少なくなっていきます。
そういえば東大京大以外の旧帝大の人、東京でほとんどみないからやっぱ地方就職が多いんですかね
— OSSタダ乗りおじさん (@mizchi) February 12, 2017
公務員就職志望学生数
次に地方旧帝大生は堅実性や地元志向が強いために、公務員志向の学生の割合が高いことが挙げられます。
- 早稲田大学 97
- 北海道大学 81
- 東北大学 75
- 慶應義塾大学 75
- 九州大学 66
- 中央大学 59
- 名古屋大学 30
- 明治大学 19
先ほどお伝えした学生数が圧倒的に違うことを考慮すれば、国家公務員総合職の就職は十分検討している結果であると見て取れます。
地方旧帝大生は公務員就職実績は決して悪くないことが理解でき、民間就職希望者の割合も少なくなっているのです。
出世意欲
地方旧帝大生は堅実な学生の割合が高いです。
よって、就職先の選択肢として年収、社会的評価に囚われずに安定性、働きやすさ、やりがいを求める学生の割合が高くて志向が強いです。

競争に揉まれずにのんびりとした人生を送っていきたい
このような地方旧帝大生の仕事への価値観の傾向が影響して、公務員就職、地元企業就職の割合が高まって、大手企業就職者が少なくなっているのです。
最後に
いかがだったでしょうか?
この記事では旧帝大の就職が悪いと言われている背景と原因について徹底分析して解説していきました。
- 立地
- 学生数
- 大手企業志願者数

さまざまな要因が重なって就職実績として反映されているんだね。
旧帝大だからといって一概に就職が悪いと判断することは間違っています。
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最後まで御覧いただきありがとうございました。